俺様狼と子猫少女の秘密の時間②
第三話 波乱・揺れる絆
これって三角関係
――翌日。
今日からしばらく学校は休み。
ますます先輩と会う口実(正しくは機会)がなくなっちゃう。
会おうと思えば家に押しかけることもできるし、方法がないわけじゃない。
でも……。
…杏子の言うとおり、後先考えずに突っ走ってみるのもいいかもしれない。
だけどあたしにそんな勇気はない。
でもこのままっていうのも絶対いやだ。
「ハア……頭で考えてばっかっていうのも疲れるなー」
「ない頭でなにをどう考えるんだよ?」
「……」
いつの間に。
しかも最近、毒舌健在だよね。
現れた那智兄をちらりと一瞥し、再びため息をついた。
「那智兄……どっか連れてって」
「どっか? どこ?」
「どっか」
「……。じゃ由那連れて動物園。行きたがってたんだよ」
いいかも!
由那と出かけるの久々だし。
パッと一気に笑顔を浮かべ、昼前だというのにまだパジャマだったことに気付き、着替えを取り出した。