俺様狼と子猫少女の秘密の時間②
「ゆーーーなーーー!」
「おねーちゃん」
ダダダダダッと階段を駆け下り、リビングに居る由那のもとへ駆け寄った。
膝に抱えてソファに座り、「動物園行こうね!」と笑いかける。
「どうぶつえん! 行く!」
「ペンギンさん見たいね~」
「五歳児を二人連れて行く気分」
それってあたし?
あたし五歳児?
きょとんと自分の鼻を指差した。
「那智連れてってくれるの? やっだ助かる~♪」
ぱんっと手を叩いて足を跳ねさせたママ。
長男は二十歳だっていうのに、若いよね本当。
元々、那智兄を産んだときが十八だっていうし…。
「ママ今日と明日、パパのとこ行きたいんだけどー、由那のこと頼んじゃっていいかしら?」
えっ……。
一泊二日でニューヨーク行く気ですか!?
どういうスケジュール立ててんの!?
「GW中行っててもいいけど? な、由那」
「? ゆな、おにいといっしょ!」
あたしと一緒で那智兄が大好きな由那は、きっとママがいなくても大丈夫だと思う。
逆に那智兄がいなくて泣いたことがしょっちゅうだ。