俺様狼と子猫少女の秘密の時間②

―――……


『それで、ママ行っちゃったわけっ?』


「うん」


『まー……』


その夜、疲れて眠ってしまった由那を布団に寝かし、杏子と電話をしていた。


『そういやあんたとこのお父さん、どこ居るの?』


「ニューヨークだよ」


『にゅーよーくぅ!?』


あたしのお父さんは……由那が生まれて二年ほどしてから、ニューヨークに単身赴任に行っている。

どんな仕事なのか、詳しくは知らないけど。


『じゃママ、ニューヨークに行ったわけ?』


「そうだよ。ママはお父さんのこと大好きなんだ」


『へー……』


お父さんの話をしてるときや、電話をしているときのママはとても可愛い。

あたしも…もし結婚したら、あんな風になりたいな。

ずっと旦那さまに恋していたい。

ママ達みたいな素敵な夫婦、憧れる…❤


『おーいっ。悠由? ちょっと生きてんの?』


「ハッ…」


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