俺様狼と子猫少女の秘密の時間②
波乱の象徴?
―――……
『んなぁあにぃいーーっ!?』
「うにゃっ」
電話越しの大声は……難聴の元です。
…ってほどにうるさい。
『美紅に彼氏!? 聞いてないんだけど!』
「そ、そんなあたしに言われてもー…」
あたしだって今日聞いて……びっくりして慌てて杏子に電話したんだよ。
でもやっぱ、杏子も知らなかったんだねー。
『くっそー美紅のやつ…。それで昨日の高笑い…。人の不幸は蜜の味ってやつね?』
高笑いって!!
蜜の味って!!
一体なにがあったというんだ…。
『あ…。ま、待って? じゃあ…なに、あたしだけ? 一人なの!』
「さー…」
どうなんだろうね。
あたしも似たようなもんなんじゃ…。
ふとマイナス思考になりかけて、ふるふると頭を振って追い出した。
杏子は最後までぶつぶつ言っていた。
きっとこの後…美紅ちゃんに責めるような勢いで根掘り葉掘り聞くんだろうな。
パタンと携帯を閉じ、リビングへ降りた。