Fall down
プロローグ
いつか見た空は、
あの頃よりもずーっと近くて
ずーっとキレイで
引き込まれていきそうで
全部思い出してしまうんだ。
今日は、とても大切な日で
忘れてはいけない。
いや、忘れたくても
"わすれる"なんてムリなんだ。
「優美、時間だよ行かないと。」
空を見上げていた私の
後ろから優しい声が聞こえた。
振り返った私は、目を閉じて
小さくうなずき歩き出した
「…ねぇ?翔ちゃん。」
「どうした?優美。
早く行かないと、あいつが
まってるよ。」
「いや、あれからもう…。
まだ、拓ちゃん元気かな?」
「大丈夫だって、兄貴は。
ほら、ついたよ。」