Fall down
「…拓ちゃん。
久しぶりだね。しばらくここに
来れなくってごめんね?」
私は、気付くと両目にたくさん
涙をためて、たたずんだ。
黒い服に身をつつんだ私は
隣にいる翔ちゃんをよそに、
沢山の花束を、そこへ置いた
ためていた涙はいつのまにか
そこを濡らしていた。
「拓ちゃんっ…。
寂しいよ、寂しいよっ!!!」
声を荒げて泣き出す私を
翔ちゃんはそっと、抱きしめた。
私は、拓ちゃんの眠る墓前に
ただ泣き崩れることしか
出来なかった。