運命ラヴァーズ。
傷跡。


(カチッカチッ)

無音状態の部屋に、
秒針の音が虚しく響く。

ふとその壁にかけてある
時計を見てみると、
もう16時30分を指していた。


「行か、なきゃ」


私は重い腰を上げ、
携帯と財布という最低限の
荷物を持って家を出た。



「もう1年だよ、光汰」


寒空の下、
私はぽつりと呟いた。

< 1 / 12 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop