黒い大きな犬
僕は空虚なただの入れ物で、もう中には何も入ってはいない。得るものも、失うものもない。世界の終わりを名残惜しむこともない。ガラスコップが手の平から滑り落ちて割れるように、僕のこの命は瞬く間に消える。

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