黒い大きな犬
それは本当に突然で、なんの前触れもなかった。季節は夏で、僕は夜を眠れずに過ごしていた。窓の外に光る星や月を眺めていると、ふいに部屋のドアが開いた気配がした。振り返ると、そこには彼がいた。かつて僕の名前を持った彼。かつて僕を殺そうとした彼。

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