黒い大きな犬
行き先
車内の空気は再び濃度を薄くしてゆく。僕の名前を与えられた黒い大きな犬は、さっきよりも疲れは見えない。大きな(幾分、大きすぎる)耳はその役目を控えているように静かに垂れ下がっていた。

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