黒い大きな犬
父親ハムスターは僕を小さな手で手招きした。何故だか判らないが、どうも息子ハムスターには聞かれたくないらしい。
「ウヒ…すまんのう。実はですのう。ワシの大事な息子の」チラッと息子に目をやる。彼はまだ、ピョンピョン跳ねながら判らない何かを探している。「名前を忘れてしまったのですよ」
彼はバツが悪そうに下を向く。

< 78 / 205 >

この作品をシェア

pagetop