紐
義娘
入籍して数週間が経過した。
女は今日も、買い物だ美容院だと贅沢三昧である。
セットした髪と新調した洋服をまとった姿を、立ち止まってはウインドウに映していた。
「フン、まだまだまんざらでも無いわねっ」
ポーズをとった女の首の辺りに、薄くネックレスのようなモノが浮かんで見えた。
「変ねぇ、今日はしてきていないはず・・・・」
女は再度目を凝らして見たウインドウの自分の姿の後方に、義理の娘が立っているのを見つけてゾッとした。
振り返ると、道路越しに天を仰いでいる彼女が見える。
その手がす~っと上に伸びた。
何かを掴んだ。
紐だった。
そしてその先は女の首に掛かっていた。