─侵食─悪魔のような男
劉兒も何も言ってなかったし、咲もそんな素振りを見せない…違うと信じたい。
実際どれだけの人間が、あたしを監視してるのだろうか?
劉兒の口から聞いたのは、一也とマスター、喫茶店の客それくらいだった。
きっとそれだけじゃないのは、ユウリだって気づいている。
学校に居るとき、一也以外の視線を感じる時があるのだ。
絶対的権力を持つ劉兒には、きっと逆らえない。
しかたがなくあたしなんかを監視しているんだろう…
ユウリは何だか申し訳ない気持ちになっていた。