─侵食─悪魔のような男

店内をチラリと見て咲は「此処までは流石にねぇ…」と呟いた。



「劉兒と住みだしてからは自由が無いの…何処に行くにも何をするのも何時も一緒…今日だって許可を得て来たの…」



「えっ許可?!…」



ただ友達と出かけるのにも許可がいるなんて…



寂しそうな表情のユウリを見てから、咲は何となく窓の外に目をやった。



「ユウリっ笑って!早く…あれは多分劉兒さんだよ」



いかにもという風な高級車が、道を挟んだ向こうに見える。
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