─侵食─悪魔のような男
電話の向こうのユウリからの切ない要望。
「早く帰ってきて」ユウリの口から聞けるなんて、思ってもみなかった。
『……ああなるべく早く帰るから…』
今直ぐにとんで帰りたい位に、劉兒はユウリを欲していた。
「うん…お仕事頑張ってね」
『ありがと…頑張れそうだよ』
劉兒は電話が終わった後も、暫く受話器を耳にあてたままだった。
「おいっ…何時までそうしてんだ?早く帰りたいんだろー仕事しろよ社長さん!」