─侵食─悪魔のような男
「待て待て…お前そのにやけた顔止めろ!社員がいるんだぞバカ野郎」
「俺…にやけてたか?」
真面目に言う劉兒に暢は溜め息を吐いた。
「はぁー…気づいてなかったのかお前…重症だなこりゃ…まぁいい早く帰れ…じゃあな」
劉兒が初めて見せる表情に、暢は嬉しくもあった。
「人間らしい感情もあんじゃねーか」
バタンと閉められたドアを見つめて、暢はそう呟いた。
一方ユウリは、自分の口から出た言葉が信じられず、ぼうっとソファーに座っていた。