─侵食─悪魔のような男
息苦しさで目覚めると、キツく劉兒に抱き締められていた。
逞しい胸に頬を擦り寄せてみる。
この先この人を愛することができるだろうか?
今はまだ、自分の気持ちがはっきりわからなかった。
"好き"だけど"愛"じゃない。
だから"愛してる"なんて言えない…
この腕から逃れられないのなら、愛するしかないのだろう…
好きだと思う気持ちがあればきっと大丈夫。
ユウリは小さく頷くと、劉兒を起こさないようにベッドを後にした。