─侵食─悪魔のような男

バタンと閉じられたらドアを、うっすらと開けた目で眺めながら劉兒は考えていた。



ユウリにはまだ自分に対する愛を感じられないと…



"一方的な愛"それでもいい…手放すなんて絶対しない。



何もかもが愛し過ぎて狂ってしまいそうだ…



「早く俺に溺れろ…ユウリ…愛し過ぎてお前を壊してしまいそうだよ…」



大きなため息を吐き出して劉兒はベッドに横たわっていた。



こんなにも愛しいモノがこの世にあるなんて…



そんな劉兒の鼻腔をユウリの残した残り香がくすぐり、徐にシーツを手繰り寄せた。
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