─侵食─悪魔のような男
ユウリには言わないが、咲に向けられる目は怖いものがある。
いや咲だけでなく周りに対する目、あの目は刺すように鋭い。
ユウリに手を出そうものならどうなるか…
親友である咲にさえ嫉妬心を剥き出しにしてくるのだから。
ニコニコしながらパンを頬張るユウリを眺めて、"大変な男に捕まったものだ"と咲はため息を吐いた。
それから暫くは穏やかな日々が続いていた。
ユウリの心も少しずつだが、劉兒を受け入れようとしていた…
そんな時だった、劉兒に女の影がちらつくようになったのは。