─侵食─悪魔のような男
深い溜め息を吐き出し劉兒は目を閉じた。
ユウリから漂う薔薇の香り、柔らかな唇、白い肌…指の間をすり抜ける髪の感触。
まるで直ぐそこにいるかのように思い出せる。
「…ユウリ」
思いを巡らせていると、ドアをノックする音がし現実に引き戻される。
ガチャリと開いたドアの向こうから現れたのは暢。
「何やってんだよお前…仕事しろ仕事!」
「ユウリどんな様子だった?てか買い物楽しかったかよ…」