─侵食─悪魔のような男
「すみません…ご迷惑じゃ無かったですか?」
「気にしないでいいよ?君の為なら忙しくてもこうしたさっ」
そう言って優しくユウリの頭を撫でた。
劉兒に少しの恋心を抱いていたユウリは、その優しさに益々惹かれ始めていた。
優しく頭を撫でられるなんて、両親が生きていた頃にされたきり…
何だかくすぐったい気分だった。
「行こうか…案内してくれるかな?」
ユウリの部屋までなんて目を瞑っても歩ける位だったが、知らない振りで案内されながら劉兒は歩いた。