─侵食─悪魔のような男

今朝の劉兒はいつになく上機嫌だった。



"今日は何かある…"とユウリは用心していた。



何が起こってもいいように…



「ユウリ…じゃあな」



素っ気ない言い方で劉兒はユウリを送り出した。



「…行ってきます」



ユウリは不安な表情で劉兒に手を振る。



無言で走り去る高級車…ここ最近はユウリが立ち去る前に行ってしまう。



背を向け歩き出したユウリ。



「もう直ぐね…」その顔にはうっすらと笑みが浮かんでいた。
< 195 / 434 >

この作品をシェア

pagetop