─侵食─悪魔のような男

咲も泣いていた…静かに。



「…これでいい?満足?あんたも劉兒さんも最低だよ…」



「そんな最低な俺が好きなんだろ?」



一也は静かに涙を流す咲の頬を撫でる。



「あんたなんてキライよ…大キライ」



一也はそっと咲を抱き寄せる。



「ごめん…俺だって嫌なんだ…でもあの人には逆らえねー…解ってくれよ」



「うっ…ユウリっ…ごめんね…ごめんね…」



咲の涙は留まることなく流れ続けた。
< 199 / 434 >

この作品をシェア

pagetop