─侵食─悪魔のような男
傷ついたユウリは、とぼとぼと迎えの車に向かって歩いていた。
振り返ってみても咲の姿は見えない…
「あたし信じるから…」
ポツリと呟いたユウリは、迎えの車に乗り込むとぎゅっと目を瞑った。
マンションに着いたユウリが部屋に入る。
玄関には劉兒の靴と見慣れないハイヒール…
「えっ…」
そっとリビングに向かったが、誰もいないようだった。
「…劉兒いるの…?」
寝室に近付いて行くにつれ、物音と話し声が聞こえる。