─侵食─悪魔のような男
┼少女の旅立ちの時┼
信用していた親友に裏切られて、傷ついたうえに見せたあの光景…
ユウリの心を壊してもいい位の思いだった。
「捨てないで…もう貴方しかいないの!」
俺に泣いて縋ってくる筈だったのに…
「縋ってくるどころか家を出るとはな」
まぁ直ぐ連れ戻すだけだ…
劉兒はイラついていたが、焦る様子は無く着替えていく。
直ぐに向かうと言ったが、気が付けば随分と考え事をしていた。
「ふっ…悪い子猫ちゃんだ…すぐに捕まえてあげるよ」
ゆっくりと部屋を後にしエレベーターに乗り込んだ。