─侵食─悪魔のような男

「ほんとだよ…良く眠れたか?」



そう言いながら、奥から出てきたのは息子の"正也"。



彼は劉兒とは違い日に焼け、逞しくガッチリとした体つきをしていた。



笑うと覗く八重歯が、その風貌に似合わず可愛らしく見えた。



「はい…こんなに良く眠れたのは久しぶりかもっ」



"ふふっ"と柔らかい笑みを浮かべたユウリに、正也は胸をドキンとさせた。



「真理子さん、正也さん…ありがとう御座います…ご迷惑おかけします」



深々と頭を下げるユウリ。
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