─侵食─悪魔のような男
あの後は食欲も無くて直ぐお風呂借りて寝ちゃったんだっけ…
ユウリは何だか悪い事したなと、隣で笑う真理子を見て思っていた。
「あたし達もね、昔は都会に住んでたのよ」
「いつの話しだよ」
「昔よ昔…」
真理子は、遠くを見つめ何かを思い出すように、ゆっくりと語りだした。
「あの頃はあたしも若かった…仕事も楽しくて…正也には悪い事したけどね」
チラッとと正也に目をやる真理子。
「忘れたよそんな事」
はっと笑い飛ばす正也は、ユウリには強がっているように見えた。