─侵食─悪魔のような男

「油断したなぁ一也…」



「はぁー…俺もまだまだっすね」



一也は「じゃぁまた」と、軽く頭を下げ車から降りた。



静かに去りゆく高級車に背を向け、両手をポケットに入れた一也は天を仰ぐ。



今にも雨が降りだしそうなどんよりとした曇り空だった。



「女はこえーな…」



ポツリと呟き、苦笑いを浮かべた一也は夜の街へと消えていく。



煌めく街が眩しすぎて、一也はふっと目を細めた…
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