─侵食─悪魔のような男
「ユウリ…キミに会いたい…」
高級車の後部座席で、切なさに苦しむ劉兒。
流れゆく景色を目で追いながら、思うのはユウリの事ばかりだった。
彼女の魅力は、男も女も惹きつけるのか。
天使…いや…小悪魔…計算か無意識か…どちらにせよユウリの為ならみな喜んで動くだろう。
咲もあの店の女も…ユウリの儚さに魅了されたのだろう。
今頃見知らぬ誰かが、ユウリに触れているかもしれない。
そう思うといてもたってもいられず、劉兒は携帯を取り出した。