─侵食─悪魔のような男
「何やってるのかと思えば…子猫探しとはな…それにあの嬉しそうな声…ちゃんと連れ戻せればいいんだがな」
暢はユウリがちゃんと劉兒に戻って来るか心配だった。
それと言うのも、彼女がいない間の劉兒は見れたものでは無かったからだ。
ユウリが見つからない、眠れない…イライラして酒を煽る日々…
俺の言うことなど耳に届かない様子で虚ろな目をしていた。
それが今はどうだ声を聞くだけで解る、あいつには精気がみなぎっている。
「はぁー…俺も甘いなっ」
劉兒の残した仕事の山を眺めながら、暢はため息混じりに呟いた。