─侵食─悪魔のような男

「はぁーっ」



白い息を吐き出してユウリは窓を閉めた。



正也は優しい人だ、何も聞かずただ黙って抱き締めていてくれた。



ユウリは正也に、劉兒に対する思いとは違う何かを感じていた。



それが何かよく解らないが、真理子と同様大切な人だと言うことに変わりない。



あの人達を傷つけるわけにはいかない。



劉兒に見つかれば何をされるかわからない。



黙って出て行くことを許して下さい。
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