─侵食─悪魔のような男
「真理子さん?」
「元気でた?ちょっと疲れた顔してた」
「大丈夫です…ありがとうございます」
「そう?ならいいけどっ」
そんな会話が最後だった。
真理子の母親のような温かさは、ユウリの心も温かくしてくれた。
「お世話になりました…ありがとう」
遠ざかる真理子の背中にそう言って見送った。
冷たい風が、ユウリの頬を撫でるように吹き抜けていくが、涙は乾いてはくれなかった。
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