─侵食─悪魔のような男

上機嫌の劉兒に呆れ顔のユウリ。



此処まで来るときの劉兒とは違い、機嫌のよさげな顔に運転手はホッとしていた。



遠ざかる景色を目に焼き付けるように、ユウリはじっと見ていた。



…さよなら真理子さん、正也さんどうかお元気で。



母親のような真理子そして…兄のような正也。



あんな兄が欲しかった…。

正也に対する感情は恋では無い。



知らず知らずのうちに、ユウリは
家族愛を求めていた。
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