─侵食─悪魔のような男
ユウリはさっ、と身構えて劉兒の手を拒んだ。
くっと顔を歪めた劉兒だが、ここは我慢しておくことにした。
無事に家に連れて帰りさえすればいいのだから…
今は我が儘を聞いてやるか。
「はぁー…解ったよ…無理に触んねーから心配すんな」
劉兒は、諦めた様子でドカッと座り目を閉じた。
ユウリはほっと胸をなで下ろした。
今劉兒に触れられれば絶対に流される。
本当は劉兒が捜してくれて、迎えに来てくれて嬉しかった。