─侵食─悪魔のような男
「これ…置いてあったわ」
ユウリが置いていった手紙を、真理子は正也に渡した。
椅子に座り手紙を開くと、微かに鼻先を掠めるユウリの香り。
正也は切なさで顔を歪めて手紙を読む。
楽しかった事、嬉しかった事、色んなことが書いてある。
ユウリの2人に対する感謝の気持ちが溢れていた。
「兄かっ…ふっ…」
ユウリは2人に宛てて書いていた。
真理子みたいな母と、正也のような兄が欲しかったと…