─侵食─悪魔のような男
「ただいまーマスター♪」
「お帰りユウリちゃん」
あたしの境遇を聞いたマスターが、ここに来るときは「ただいまといいなさい」そう言ってくれた。
マスターはちょっと強面だが、とても優しい人だった。
父親のような存在であたしは慕っている。
落ち着いた店内にコーヒーのいい香りが漂う。
「ユウリちゃんさっきからお待ちかねだよっ…これもっていって♪」
窓際の席に1人優雅に座る彼に目をやるマスター。
「天城さん…」
急いでエプロンをつけ手を洗った。