─侵食─悪魔のような男

隣で眠る劉兒の存在を確かめるように、細いのに筋肉質な身体に触れてみる。



指先でつーっと辿れば、ぴくんと小さく反応した。



「んっ…なんだよ…まだ足りねーの…?誘いを断るのは失礼だからな…」



"ふっ"と笑った劉兒は毛布を引き剥がすと、部屋の明かりを灯した。



「きゃっ…ちがっ…そんなつもりじゃ…やだっ」



ユウリの一糸纏わぬその姿はとても美しかった。



「綺麗だ…俺だけの薔薇」



劉兒の手によって、開花した美しい薔薇は、匂い立ち彼を誘う。
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