─侵食─悪魔のような男
「こんちには?」
「あっ…こっ…こんにちは」
ユウリは挨拶をすると慌てて頭を下げた。
「あなたがユウリさん?」
「そっ…そうですけど…あのぉ…どちら様でしょうか…?」
おずおずと訊ねると、クスッと笑ってその女性が口を開いた。
「劉兒の母親よ…あなたにお話があるの…一緒に来て貰えるかしら?」
この人が劉兒のお母さん?断ることもできないし…
ついにこの日がやってきたかと、ユウリは「はい」と答え鞄とコートを持つと部屋を後にした。