─侵食─悪魔のような男
劉兒は携帯を取り出し電話をかけた。
「親父…ばばぁどこだ!…あぁ…わかった」
急いで車に乗り込んだ。
「劉兒さん何処へ?」
「実家だ…急げ」
「はい」
それだけ言うと、劉兒は目を閉じ深い溜め息を吐いた。
「はぁーっ…」
ユウリをどうしようというのだろうか?
自分を産んだ母親だが、劉兒は麗子が苦手だった。
劉兒は小学校の低学年まで女の格好をさせられていた。
あの頃を思い出す為、麗子に会うのは極力避けていた。