─侵食─悪魔のような男
父親も麗子のいいなりで逆らえないでいた。
容姿の美しさから麗子に気に入られ、無理やり婿養子に貰われてきたのだ。
だが父の陽輝は優しい男で、そんな麗子を愛しているらしい。
「俺だったらごめんだなあんな女…ってかわんねぇか…」
自分がしていることも麗子と変わらないな…劉兒は"ふっ"と苦笑いして窓の外に目をやった。
「ユウリ…お前だけは誰にも譲れない 」
流れる景色を見つめながら、ぎゅっと拳を握りしめた。
色々と考えているうちに、車は屋敷に到着しようとしていた。