─侵食─悪魔のような男

「……嫌いだね」



「劉兒は贅沢だよ…両親がいるのに嫌いだなんて」



寂しげな顔をするユウリを、劉兒はそっと抱き寄せた。



「色々あんだよ…あの人のおかげで幼少期は散々だったからな…思い出したくもねぇ…はぁーっ」



溜め息を吐いた劉兒は、ユウリの髪を撫でる。



「お前には俺がいる」



そう言うときつくユウリを抱き締めた。



「ありがとう劉兒」



ぎゅっと抱きしめ返すユウリに劉兒は囁いた。
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