─侵食─悪魔のような男
「大学に入る前に…お前は"天城ユウリ"になる」
「えっ?…それって…」
「結婚するんだ」
「ええっ…結婚…」
「何だ嫌なのか?まぁ嫌っていってもするんだけど」
劉兒はユウリの髪を撫でながら、当たり前のように言ってのけた。
何となく不機嫌なユウリに気づいた劉兒は、「そんなに嫌なのか?」と低い声で言った。
その声に一瞬ビクンとしたユウリだが、小さく口を開いた。
「…違うの…そうじゃなくて…あの…その…」
もごもごと喋るユウリに劉兒は「なんだよ…」と顔を覗き込んだ。