─侵食─悪魔のような男

劉兒から与えられる甘く痺れるような快感に、ユウリは朦朧としていた。



しかし不意に薬指に違和感を感じる。



ゆっくりと左手を持ち上げ視界にいれる。



「えっ!これっ…」



驚き目を丸くするユウリ。



「俺としたことが婚約指輪を忘れるとは…それ程焦っちまったって事なんだろうけど…情けねぇ…許してくれるか?」



ダイヤモンドがユウリの薬指で輝きを放つ。



切なく顔を歪ませる劉兒に視線を向けると、「嬉しい…」ユウリはそう言って微笑んだ。
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