─侵食─悪魔のような男

「当たり前だろお嬢ちゃん?」



そう言って、劉兒はクスリと笑い咲に視線をぶつけた。



『二度目はないぜ』



お前の事をまだ許した訳じゃない…劉兒の瞳はそう物語っていた。



背中に嫌な汗が流れた咲だったが、「そうですね」と笑ってみせた。



「咲っ一也君また大学でね♪真理子さん正也さん…今度遊びに行ってもいいですか?」



「遠慮しないでいつでもいらっしゃい」



「まってるぜ」



咲達に別れを告げ、遠くで手を振る暢と麗子を宥める陽輝に目をやり車に乗り込んだ。



「ふぅっ…やっと解放された…後は俺達の時間だ…ゆっくり可愛がってやるからな」



そう言って劉兒はユウリの頬を撫でた。
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