─侵食─悪魔のような男
「なつ君も大好きよ?」
「いちばんがいいーの!なつがママのいちばんなのっ!」
ぷくっと柔らかい頬を膨らませ、瞳を潤ませる。
「わぁっ…なつ君ごめんなさい!なつ君がいちばんよっ?ねっ」
一人息子にとことん甘いユウリ。
キュッと抱きしめると、それに答えるように小さな手を背中に伸ばして抱きつく。
「大好きよ」
じっとその光景を見ていた劉兒は、棗がニヤッと口元を緩めたのを見逃さなかった。
「なつめ」
そう言って、劉兒は棗をユウリから引き剥がし抱き上げた。