─侵食─悪魔のような男

パタンと閉じられた子供部屋。



「りゅーほんとだろうな」



「お前…いい加減パパと呼びなさい!ダディでもいいぞ?」



「はぁー」



棗は盛大にため息を吐いてみせた。(本当に幼児か?!)



「本当さぁパパとママが仲良くすれば可愛い人形が手に入るぞ!ママに似て美しく育つ人形が…」



「ママににて…」



くっと口の端をあげる棗は、劉兒によく似た小さな悪魔だった。



「しょうがないから寝てやるか」



「はん…ガキが…」



んっ?と布団の中から棗の声がしたが「いい子だよお前は」と劉兒は頭を撫でた。
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