─侵食─悪魔のような男
頼る人がいないユウリにとって、この温かい手が今は何より嬉しかった。
引き寄せられるように劉兒の胸に顔をうずめた…
「あったかい…ううっ…」
子供をあやすように、ぽんぽんと背中を叩き「大丈夫だよ」と繰り返し言う。
「大丈夫…僕がいるよ」
繰り返し繰り返し、悪魔は少女に囁きかける。
そしていつしか、少女には彼しかいないと錯覚させられていた…
『囁きに酔ってしまえ』
お前には俺しかいないのだから…