─侵食─悪魔のような男

「そっユウリが今まで住んでた部屋だよ…だめだったか?」



なんて人だろう?驚いて動けなかった。



『勝手だよ』いいかけた言葉をぐっと飲み込む。



さっきの冷たい瞳を思い出し、ユウリはふるふると首を横に振った。



「それであたしの荷物は?」



怒りたい気持ちを押し殺し、劉兒に優しく問いかける。



「あぁ…捨てたよ全部…っとこれは残しておいたけど…はいっ」



全部捨てた…その言葉に絶句しているあたしに手渡された物。
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