─侵食─悪魔のような男
一也もよくこの店にくるらしいが、あたしがバイトに来るようになってからはあまり来ない。
来ても「用事があるか」らと言ってさっさと帰ってしまう。
変なの…まぁいい兎に角一也には、いい所を紹介してもらって有り難いと思っている。
「気にすんなよ…たまたまだよ」
そう言ってははっと笑っていたっけ。
人は見かけで判断してはいけないと、あたしは勉強した。
不良の一也も、強面のマスターも、実はみんな良い人なのだ。