【企】携帯水没物語
舞い上がってたあたしは、
なんの疑問も抱かずにOK
して、その場でお互いの
電話番号を交換して……。




「なんでだろう……。

なんで折原さん、ここの
駅前って言わなかったの
かな……?」




「こっちが聞きたいわよ。


それで?

一応聞くけど、相手の
連絡先って……?」




「ウン。

携帯のアドレス帳にしか
入れてない………」





今度こそ、里沙は特大の
ため息を落とした。





時間は深夜。




待ち合わせ時間まで、
もう12時間もない。





――あたしは、水没した
携帯を手に、明日を
迎えるしかないのだった……。





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